7月30日(火)の午後7時から、中京民商事務所2階において「みんなで商売を語る会」が開催され、9人が参加しました。
友禅職人からのれんの制作販売へ
初参加の朱五支部の山内裕さん(工房 山内)は、「もともと手描き友禅の職人として働いてきたが、着物の生産の減少で仕事が少なくなってきたので、手描き友禅の技法を生かして、のれんやタペストリーを制作して、全国各地のイベントに出展して販売するようになった。職人としてずっと働いてきたので、お客さんを相手に商品を売るということには最初は恥ずかしさというか抵抗があったが、時代の流れの変化に対応してきたことで、何とか続けてこられたと思っている。最近は、外国人旅行客、とくに欧米からの旅行客への売上が大半になっている。外国人に喜ばれるデザインは、富士山に桜といった、いかにも日本らしいという感じのもの。京都でなぜ富士山? と思わなくもないが、外国人旅行客にはそういう感覚はないわけで、そこに合わせていかなければ売れない。これも時代の変化への対応だと割り切っている。日本人がほとんど買ってくれないということについては、経済がずっと低迷してみんなの所得が落ち込んでいる影響なんだろうな、と感じている」と語りました。
変化への対応の難しさ
山本英之副会長(自動車の電機修理)は「ハイブリッド車や電気自動車の普及で業界の状況は大きく変化している。対応していくには勉強をしたり設備投資したりていかなければならない。10年前と違って、1年先すら予測できない時代になりこれからの展望が見出しにくくなっている」と語りました。
東支部の溝口さん(印刷業)は「印刷業界では近年デジタル化が急速に進んできたが、対応してやっていこうとすると、高額な設備投資が必要になる。自分の年齢との兼ね合いで、一昨年、ここで引くという決断をした。商売においては引き際も大事だと思う」と語りました。
「商人道」シンポに参加を
事務局からは、9月7、8日に長野市で開催される「第21回 中小商工業全国交流集会」と、11月10日に開催するシンポジウム「商人道が地域を救う」が紹介され、参加が呼びかけられました。