商売を語る会――藤波良子青年部副部長が語る「現代版わらしべ長者」(下)

 ゲストハウスの経営を始めた経緯

  ゲストハウスの経営を始めたのは去年の6月のことなのですが、その経緯について、少しお話をしたいと思います。
 夫はもともとサラリーマンだったんですが、私の中古ブランド品のネット販売が順調にいっていたこともあり、2人でこの事業に専念したほうが夫婦の総収入が増えるのではないか、ということで、2年前に会社を辞めて、一緒に仕事をすることになりました。それで、1年間、ずっと一緒に同じ部屋で仕事をしていたんですが、やっぱりずっと一緒というのは、いくら好きな相手でも息が詰まるものなんですね。そういうこともあって、中古ブランド品の販売1本で行くのはどうかな、という思いが募り、何か流行のいい事業はないか……とあれこれ思案するなかで、ゲストハウスの経営ということを思い立ちました。何冊か本を読んでみて、今後伸びていくかどうか、考えてみた上で、です。
 不動産屋さんをまわって、オーナーさんからゲストハウスにしてもよいという許可が取れる物件を探して、市の条例にもきちんとのっとって消防設備などもつけました。一般住宅をゲストハウス用に改装――主には水まわりですが――するのには、1軒あたり200万円くらいかかりますが、自己資金でやりました。月に1軒ぐらいのペースで増やして、いまでは7軒のゲストハウスになっています。場所は、京都駅周辺、京阪七条、東山などです。
 現在は、ゲストハウスの受付と中古ブランド品販売は私が担当し、ゲストハウスの掃除などの外回りは夫が担当する、という形で、上手く役割分担ができていると思います。私の欠点として、新しいことを始めるとその魅力に引き込まれてしまって、それまでできていたことがまともにできなくなってしまう、ということがあります。ゲストハウスを始めて、それが面白くてのめりこんでしまったために、ブランド品販売の利益は5分の1くらいになってしまいました。色んなことに興味をもってやってみるのは私の活力の源泉でもありますが、欠点でもあるな、と感じます。逆に、夫は慎重なタイプなので、私が何か新しいことをやってみようと思っても、まずは夫を説得しなければならない。そういう意味では、夫婦としてみればバランスが取れているといえるかもしれません。

ゲストハウスの経営をどうやっているか

  ゲストハウスはいまたくさんできているわけですが、差別化を図るために、ほかにはないサービスは何かな……と日々模索しています。
 1軒に1度に泊めるのは、1グループあるいは1家族だけです。食事なしの素泊まりで、1人当たりの宿泊費用は2000円ぐらいです。回転率は80%から95%くらいでしょうか。集客は世界的にも有名なサイトで行って、決済もネット上で済ませています。
 1泊から3泊くらいされるお客さんが多いですね。お客さんの8割くらいは中国からです。中国では3世代旅行ということがよくあって、6人以上のグループが多いです。物件によっては最大10人くらいは泊まれるようになっているので、対応できています。
 料理はこちらでは用意しませんが、コーヒーやスナック菓子程度は準備しています。また、お客さん自身が料理できるようにはしています。電子レンジや洗濯機も置いてあります。また、物件によって条件のあるところでは、自転車を2台から5台くらい置いて、使ってもらうようにもしています。
 ゲストハウスを経営していく上で一番気を使っているのは、近所の方々とのよい関係を築いていくことです。7軒のゲストハウスのそれぞれについて、町内会に入り、名刺を地域の1軒1軒に配って、「何か問題があれば夜中であっても携帯にご連絡ください」とあいさつして回りました。またゴミについてはきちんと回収にまわっています。近所とのコミュニケーションはとても大切だと思います。

これからやっていきたいことなど

  ゲストハウスというのは、今は流行のものですけれども、「オリンピックが終わったらどうなる?」というようなことはささやかれていて、そういう不安は確かにあります。これまでの7軒のゲストハウスは借家だったので色々と制約もあったのですが、いま1棟購入しようという計画をもっています。自分の持ち物として、他にはできない差別化をやっていきたいと思います。例えば、屋上でバーベーキューができるようにしたり、送迎をするようにしたり。色々と工夫しながら、旅館業を末永くやっていけたら、というふうに思っています。

おわり

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